仮想通貨の保管方法は様々ですが、ほかの方法と比べると安全性が高いのがハードウェアウォレットです。
バックアップできるところも長所ですが、もちろんデメリットもあります。
ハードウェアウォレットのメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
ハードウェアウォレットのメリットとデメリット
まずハードウェアウォレットのメリット・デメリットそれぞれの箇条書きです。
メリットの箇条書き
- セキュリティが強固で安全性が高い
- 持ち運びしやすくユーザビリティに優れる
- バックアップ・復元できる
デメリットの箇条書き
- 設定が手間
- リカバリーフレーズやパスワードの保管が大変
- ハードウェアウォレットそのものの値段が高い
- 人気商品は品薄で入手しにくい
それぞれの詳細を順に記載します。
メリットの詳細
セキュリティが強固で安全性が高い
セキュリティ面の高さがハードウェアウォレットの一番のメリットと言えます。
(ハードウェアウォレットが絶対に安全というわけではありませんが、他の保管方法と比較すると一般的に安全性が高いと言えるでしょう)
仮想通貨を送金するには、
- 送金元のアドレス
- 送金元アドレスと対になる秘密鍵
が必要です。
ハードウェアウォレット内では、秘密鍵が保管されています。
ハードウェアウォレットをパソコンに接続していない間、ウォレットの秘密鍵をネットワークから遮断されたオフライン状態で保管することができます。
このインターネットに接続されていない状態での保管は、外部からハッキングされるという盗難の危険が低くて安全です。
ハードウェアウォレットとは異なる種類のウォレットに分類される「ウェブウォレット」ではサーバーがハッキングされる恐れがあります。
自分のパソコンにインストールするタイプの「ソフトウェアウォレット」の場合も、自分が使用するパソコンがウイルス等に感染していれば不正送金されるリスクがあります。
それに対して、ハードウェアウォレットを使用する場合、ウォレットをUSB接続して操作する時にパスワードを入力しなければならないので、パソコンがウイルスに感染していたとしても、不正送金のリスクをかなり低くすることができます。
持ち運びしやすくユーザビリティに優れる
ハードウェアウォレット本体のサイズは、種類にもよりますがUSBメモリぐらいの大きさ。
大きなものでも音楽プレーヤー程度です。
専用のアプリケーションをインストールしておけば、どんなパソコンからでもハードウェアウォレットの操作(残高確認、仮想通貨の送金・受け取り)が可能です。
ユーザビリティが高いのも特徴なのです。
(ただし、どんなパソコンでも操作できるとはいえ
- ネットカフェのような不特定多数の人が操作できる場所にあるパソコン
- 自分や家族などのパソコンでもウィルス対策が不十分なパソコン
で操作することはおすすめしません。)
バックアップ・復元できる
バックアックできるのもメリットのひとつ。
ハードウェアウォレットを破損したり、なくしたりしてハードウェアウォレットを使えない状態になっても、同じ種類の別端末を用意すれば、別端末でも復元することができます。
(別の種類のハードウェアウォレットでも互換性があれば復元できます。)
バックアップ(復元)時にはリカバリーフレーズが必要なので、ハードウェアウォレットを紛失・盗難することがあってもリカバリーフレーズを知らない他人に仮想通貨を盗まれることがなく安心です。
(リカバリーフレーズが流出すれば、別端末で復元できるということなので、リカバリーフレーズの管理は厳重にしておかなければなりません。)
デメリットの詳細
設定が手間
ハードウェアウォレットを使用するには
- ハードウェアウォレットと接続させるパソコンに専用のアプリをインストール
- パスワードやリカバリーフレーズといったハードウェアウォレットの初期設定
しなければなりません。
不慣れだと手間に感じるでしょう。
リカバリーフレーズやパスワードの保管が大変
ハードウェアウォレットのリカバリーフレーズやパスワードは厳重に管理しなければなりません。
メリットのところで上げたように、ハードウェアウォレットの端末を破損・紛失することがあってもリカバリーフレーズがあれば復元できます。
逆にいうと、リカバリーフレーズを他人に知られてしまうと、自分が使用しているハードウェアウォレットと同種類の別端末を用意さえすれば、仮想通貨を盗難されてしまいます。
(別の種類のハードウェアウォレットでも互換性があれば復元できるので盗まれます。)
また、リカバリーフレーズが流出しなくても、忘れてしまったら(メモをなくしたら)ハードウェアウォレットが壊れた時に別端末で復元できなります。
ある意味、ハードウェアウォレットの端末そのものより、リカバリーフレーズを厳重に保管する必要があり、管理が大変てす。
さらに、自分が所有するハードウェアウォレット端末が盗難され、かつそのパスワードを知られることがあれば、仮想通貨を奪われてしまうので、パスワードも知られないように守る必要があります。
ハードウェアウォレットそのものの値段が高い
ハードウェアウォレットの価格は、製品にもよりますが安くても1万円以上することが一般的です。
微々たる金額の仮想通貨しか保有していない場合は、ハードウェアウォレットを買わずに、盗難されるリスクを留意した上でオンライン環境で仮想通貨を保管するという選択肢もありだと思います。
ですが高額の資産を運用するなら、ハードウェアウォレットを買うのをためらって、資産を失うということがないように購入することを強くおすすめします。
ハードウェアウォレットも100%安全とは言い切れないので、保有している仮想通貨に対応しているハードウェアウォレットの種類が複数あるのであれば、ひとつより複数に分散して管理する方が良いでしょう。
そうなると、ハードウェアウォレットをいくつか買うことになるので、本体の価格が安くないデメリットが強まります。
また、ハードウェアウォレットが壊れたり、紛失したりした時に、壊れた(紛失した)ハードウェアウォレットと同じ種類の別端末が必要になるので、やはり本体価格がデメリットになります。
人気商品は品薄で入手しにくい
ハードウェアウォレットの人気商品は品切れが続く場合があります。
2018年1月にコインチェック(CoinCheck)の取引所から仮想通貨ネム(NEM)が盗難された後、ハードウェアウォレットを購入する人が殺到して、しばらく端末の入手が困難になりました。
正規の代理店以外に、中古品のハードウェアウォレットを扱う非正規店舗もありますが、ウイルスが仕込まれていたりする可能性があり危険です。
安全な中古品もあるかもしれませんが、どれが安全なのか見極めるのは非常に困難なので、必ず正規代理店で購入しましょう。
また、何らかの大きな事件が起こってハードウェアウォレットの品薄状態が続く可能性はあるので、早めに購入しておくことをおすすめします。